初心者ライダーが初心者ライダーに送るクソ雑魚初心者ライテク

本投稿は静大情報LT大会(メディア・文化) Advent Calendar 2018 11日目の記事です。

コンニチハ、悟空です。
今年2018年3月に普通二輪免許を取得し、VTR250に乗っている初心者ライダーです。
乗るのもいじるのも、バイクの全てにドハマリしてしまい、他が手に付かなくなってしまいました。こんなにハマった趣味はプログラミングとバイクだけですね。
マルチのSSに乗り換えたいという思いで死にそうな今日この頃。

さて本投稿では、そんな初心者ライダーである私が畏くも恥を忍んで同じ初心者ライダーに、様々なメディアで学んだ山道で役立つかもしれないライディングテクニック、略してライテクについて書くと予告したな、あれは嘘だ! 書いてるうちにライテク基本理論みたいになってしまいました。以下あくまで初心者の戯言なので、そんなこともあるのかぐらいで右から左でお願いします。間違っているところもあるでしょう。(ベテラン)ライダーの先輩諸氏におかれましてはよろしくご指摘、ご指導のほどおねがいします。
出てくる用語には特に断りなく使用しているものがありますが、ググれば一瞬でわかるレベルのものです。

ちなみにこのブログは最終記事が2014年のいにしへのブログですのでお気になさらず…

※注意
以下の内容を勘違いして公道で暴走行為を行うことは言うに及ばず違法です。
Ride 3で我慢しましょう。

  • ライテクなるものがあるといいかもしれない理由

山道、それは信号機、歩行者、通行量、対向車の頻繁な右左折が少なく快走できることが多くのライダーにとって魅力です。実家が田舎ゆえ、又、父につれられた初公道で向かったのが山道だったこともあってか、なにかと山道をはしることが多いのですが、私にとって初心者として山道で楽しくも怖いのはなんといっても迫りくるコーナーでした。山道のワインディングやヘアピンを安全に走行するべく、ライティングを向上することは自分の身を守ることに繋がるとも言えます。公道を走るのにプロライダーのようなライテクは全く必要ありません。ですが、それを知っていること、実践できることは安全なライディングを支えることはあっても、邪魔することはありません。

  • バイクはなぜ曲がる?

あなたはバイクでコーナーを曲がるときどうするでしょうか。ハンドルを切る? バンク(車体を傾ける)させる? 目線をコーナーの先に向けるとも教習所で習いましたね。はたしてバイクはなぜ曲がるのでしょうか?

下記のブリジストンによるわかりやすい解説: https://www.bridgestone.co.jp/products/tire/mc/howto/role.html
バイクが曲がる正体、それはキャンバースラスト力です。もちろん、車と同じようにタイヤの向いた方向、角度に曲がろうと働くコーナリングフォースもありますが、それにもましてバイクにおいてはキャンバースラストがコーナリングの主体となります。
簡単にいってしまえば、キャンバースラストとはタイヤの傾きにより傾けた側に生じる力のことです。ではなぜバイクにあって車にないのかというと、それはタイヤの形が異なるからです。車のタイヤは四角いのに対し、バイクのタイヤは角がなく丸みを帯びたドーナツのような形をしています。車のタイヤは自立しますが、バイクのタイヤはドーナツ型なので自立しにくい、その差が傾くか否かを決めています。つまり、どれだけバイクのハンドルを切ってもタイヤが、車体が、傾いていないと曲がりません。近年のGPライダーは車体を傾けすぎて膝はもちろん肘までもが地面に付き、まるで寝転がりながら走っているかの如くコーナリングしていますが、そこまでバンクさせるのはまさにサーキットの速度域でバイクを曲げるためなのです。
タイヤの空気が抜けたり、古かったりすり減ったタイヤは走行中ドーナツ形というよりも四角くなってしまいます。しかるにキャンバースラストが働かないので当然まがりません。タイヤを気にしなければならないのは、なにもプロライダーだけではないのです。

  • キャスター角とトレール量

キャスター角やトレール量というのは必ずバイクの諸元に書いてある重要なスペックの一つです。キャスター角はフロントフォークがどれだけ傾いているか、トレール量は、フロントフォークの延長線と路面との交点とタイヤの接地点との距離です。一般にキャスター角が大きくなるほどトレール量も大きくなります。このキャスター角とトレール量はそのバイクのコーナリングと直進安定性を決める大きな要因です。


キャスター角とトレイル、その関係について – ZRX1200R「もの」語り2ndより引用

キャスター角、トレール量が大きいバイクは直進安定性が高く、ハンドルの戻ろうとする力が強くなるらしいです。一方で車体を倒し込みにくくなります。 このようなバイクとして俗にアメリカンといわれるクルーザーがあげられます。
キャスター角、トレール量が小さいバイクは、逆に車体を倒しやすくなるそうです。このようなバイクとしてスポーツバイク、レーサー、レーサーレプリカスーパースポーツバイクなどがあげられます。
では市販のスーパースポーツバイクの直進安定性が低いのかといえば、300km/h超でサーキットを駆け抜けるためにすることはスロットルをひねることだけなぐらいなので、上の説明には自分自身納得のいかないところがあります。直進安定性があると言われるクルーザーは一般にその直進安定性を心配するほど速度も出ない/出さないのでこれもまた疑問ではあります。

  • ブレーキング

ブレーキングとコーナリングとには密接な関係があります。ブレーキングの役目は減速だけではありません。それはコーナリングへの連携です。ここで先程のキャスター角とトレール量が登場します。サーキットではコーナー進入のためのブレーキングはハードブレーキングともいわれるフロントブレーキを全力でかけるブレーキングです。そしてそのブレーキをかけたままコーナーに進入します。なぜコーナー進入手前でブレーキをリリースしないのでしょうか。それはキャスター角を小さくしてより回頭性を高めるためなのです。
ブレーキングするとフロントフォークは段々沈んでいきます。サスペンションなので当然です。そして慣性の法則が働き、フロントが沈み、リアが浮く、極端に言ってしまえばジャックナイフのようになります。ここでフロントフォークの状態を考えてみると、深く沈みこんだ状態はフロントフォークがより直立に近い状態になっている状態、つまりキャスター角がより小さくなっている状態なのです。もちろんブレーキをリリースすればフロントフォークはもとの状態にもどっていきキャスター角度はもとの角度に戻ります。またフロントブレーキを握ったままだと車体が起きてきてしまいます。(ですからコーナーを曲がりきれないとおもってフロントブレーキを握ると余計に曲がらなくなります。私はこれで一回やらかしています。)
以上から、サーキットにおいてはコーナー進入時にはフロントブレーキを握ったまま、フロントフォークを沈ませて、キャスター角と回頭性を稼ぎ、進入後は速やかにフロントブレーキをリリースすることにより、そのままバンクさせてコーナーを曲がるということになります。

最近のスポーツバイクなどにはトラクションコントロールがついていることも多いようですが、小排気量ではまだまだ普及していません。トラクションとはタイヤが地面と接地して車を前進させようとする力のことです。「トラクションがかかってない」などといいます。コーナー進入、コーナリング中はアクセルを開けませんが、一方で、タイヤが空転せず、またより地面に食いついて安定したコーナリングを実現するために、少しだけアクセルをひねって駆動力を地面に伝えようとすることがあります。これはまさにトラクションをかけようとする行為なのです。極端な例で言えば、水や凍結などにより摩擦力の低い路面でコーナリングしようとしたとき、全くアクセルを開けることなく駆動力がゼロよりも、すこしアクセルをあけトラクションをかけたほうがより車体が安定するということになります。開けすぎるとタイヤが空転、滑ったりして加減がむずかしいのを自動で行ってくれるのがトラクションコントロールだという理解です。

  • ライテク

基本原則はスローインファーストアウト、アウト・イン・アウトです。
スローインファーストアウトとは、コーナー手前でブレーキを使用してコーナリング中にブレーキを使わなくても曲がれる速度まで減速し(スローイン)、コーナーの立ち上がりで加速し始めること(ファーストアウト)です。サーキットにおいてはアクセル全開区間を最大化することが最も重要になりますので、いくら速いコーナリングをしようとも加速区間がみじかければ意味がありません。スローインファーストアウトは行動でもサーキットでも適用できる原則です。タイヤの限界を理解しているものだけが、スローインの「スロー」を段々と速い速度域にもっていけるのです。
アウト・イン・アウトはコーナーをアウト側から進入し、コーナー中盤にイン側を経て、コーナーを抜けるときにもとのアウト側に膨らんでコーナリングすることです。
以下の画像がアウトインアウトクリッピングポイントの図です。コーナー中盤の点がクリッピングポイントになります。


クリッピングポイント - Go!KART! ゴーカートより引用

この2つは、ライダーが守るべき基本指針です。実質これだけ守っていればいい気がします。

ではここで、ライテク的コーナリングの一連の流れを書いてみます。
ステップはつま先立ちです。目線は必ずコーナーの先へ先へと送りましょう。目前の路面を見ては曲がれません。
コーナー進入前にアウト側によせて車体を立てます。腰や体を適度にイン側に持っていき重心と体重の移動を行います。そしてフロントブレーキを優しくかけ、 フロントフォークが沈み始めたらコーナリング中に余計なブレーキを使用する必要のない速度までフロントフォークを沈ませるように割り切ってフロントブレーキをかけます。進入する手前で、イン側のステップに荷重して倒し込みのきっかけを作りコーナーに進入します。コーナー入り口過ぎたところで、フロントブレーキをリリースすることでさらに必要なぶんだけバンクさせることができます。そしてコーナリング中はイン側に寄せていき、クリッピングポイントを通るあたりで車体を起こすとともにスロットルを加速し始めます。コーナーを抜けるとアウト側にいます。

  • おわりに

とりあえず、書きたかった/学んだことを羅列してみました。特に自分がすべてを実践できている/しているわけではありません。何年かたったあとこれが黒歴史に思えるほど上達してるといいなぁ。
免許取得から日が経ち、学ぶに連れ、諸元、スペックシートの意味がわかりそうな項目が増えていき、バイクライフがアンロックされいっている気分です。バイクライフがより楽しくなります。
浜松キャンパス近くの気軽に参加できそうなミニサーキットとして幸田サーキットや富士宮白糸スピードランドなどがあると思います。白糸スピードランドではプロレーサーによるライディングスクールもあります。サーキット遊びがしたい人、ぜひ一緒にサーキット走行会に行きましょう。
ライテクなんて知らなくても公道では全然問題ないはずです。ただ私はこういうことを知りたい、また知ってよかった、面白いと思いました。そう思った皆さんは、ネットや書籍、スクールなどで本物のライテクに触れる機会や場所があると思うので、ぜひ。そして私に教えてください (^_^)

ちなみにこの内容のどこがメディア・文化なのか全くわかりませんが、あえていうならここでプロレーサー&モータージャーナリスト丸山浩さんのMSTVの「モータースポーツを通して人々の生活に活力を与え文化として創造する」という標語に拠ったということで御海容くだされたく…